無題

（ミミズが這ったような、薄い字）

（の上から、書き直した文字）


何故手が動かない状態で日記を書こうとしたのか　私は…


パーシバル、サマンサ、アイビス、ランダムと、
正体不明の毒ガス（２種類）に曝される

１種類目は即効性
２種類目は遅効性だったのかもしれない
全身にひどい症状が走っていた

ランダムが居てくれて本当に良かった

とにかく脱出経路の確保のために　カギを全力で開けていた事は
覚えているが　そこから先はどうにも　夢だったような気もする

パーシバルが一番重症の様子　ひどい有様だった
サマンサもアイビスも　かなりの重症

それでも　アイビスは私を運んでくれたのだ　それは覚えてる
眼下が森だった気はするが　……


２～３日は　喰って寝ての安静か　
痺れと　感覚麻痺がどうにかならないと
私はただのお荷物だ　在庫管理者が荷物になるなンて　笑えもしない冗句だ


最初は　ランダムが小型蜘蛛型ゴーレムを壊していたので　パーツ回収に行ったのだ
ランダムに使えるパーツで　重要そうなものだけは　咄嗟に回収しておいたが
他のパーツは置いてきてしまった　…
貴重な資料だったのに　あの場所にもう一度戻ろうとは　思えない